ポリネーションとは

ポリネーションとは?


ポリネーションとは「花粉交配(受粉)」を意味します。
この花粉受粉を採蜜する際に手助けをする動物(鳥や蝙蝠、蝶や蜂などの昆虫)を送粉者【ポリネーター】と言います。
約20万種は居ると推定されるポリネーター。その殆どが昆虫で虫媒(entomophily)と呼ぶそうです。そしてその代表格が、ミツバチです。

ご存知のように、人の手よりも確実に隈なく受粉成功し、その果実の品質も良くなるのでわざわざイチゴやメロンのハウス農家さんは、 費用を掛けてポリネーターとしてミツバチ(この場合は殆どが西洋ミツバチ)を調達しています。

花が咲き、受粉し、実がなり、またその種から新しい植物の息吹が生まれる・・・

もちろん、栽培農家さんの農作物だけに限らず、花畑や・・野原や・・雑木林や公園も。それこそ、皆さんのお庭やご近所のガーデニングも・・・
この当たり前の自然に、ミツバチは無くてはならない存在なのです。

とかく世の中の風潮は、植林や緑化整備の「緑を増やす」事だけで、自然を取り戻した気になりがちですが、いくら奥様がガーデニングに勤しんでも 「虫が嫌い!」ハチを邪魔者扱いだけでは、せっかくの植物の大半が実を結べなくなってしまいますね。

日本の自然に大きく関わる日本ミツバチ。


昨今では、今までのような針葉樹林だけの植林やダム建設で、山間の保水力が不足して
逆に大きな鉄砲水や地すべりが起こる危険性を配慮し、針葉樹林だけでなく、広葉樹の植林も増え[豊かな森林」を目指すように変化してきています。
また、ヒートアイランド対策や、すばらしい緑化整備も進んできています。

大いに喜ばしい事ですが・・・・「緑を増やせば、それで自然が増える」と言うのでは、まさに「木を見て森を見ず」です。
森の妖精が、崖の花々や、どんぐりを実らせてるのでは無いのです。(笑)

よくミツバチと言うと、ハチミツが沢山採取できる養蜂が盛んな西洋ミツバチを連想しますが、 明治初期(1877年)アメリカから日本に渡って来た西洋ミツバチは、日本では(天敵のスズメバチの居ない) 奄美大島などの一部を除いて、スズメバチやダニや病気に抵抗力が極端に低いので、ほとんど野生化が出来ません。

つまりは、日本でブンブン飛んでいるミツバチは、西洋ミツバチならば、殆どが農家や養蜂業者が飼育しているミツバチ。
日本ミツバチならば、一部の養蜂業者や愛好家に飼育されているものを除いて、日本古来の野生の日本ミツバチと言う事ですね。

そう考えると、農家の受粉は西洋ミツバチにお任せするとしても、日本国土の緑の大半を日本ミツバチ(だけではありませんが)が 担っている・・・う〜ん、緑化や植林に膨大な費用が掛かる割りには・・・野生の日本ミツバチに感謝ですね。

最後のご奉仕?


近年、私達のように年配になってから、趣味で日本ミツバチを飼育する方が増えてきているようです。
元来、東洋ミツバチの亜種として日本の風土に馴染み、独特の進化を経て永く自生してるので、飼育方法は それほど難しくなく、ダニや病気、スズメバチなどの天敵にも耐性があり西洋ミツバチよりも格段におとなしく、 何もしなければ滅多な事では人を刺しません。 また、最悪、飼育を断念したとしても、やがて逃亡し野生に帰るだけです。

それほど労力は必要なく、うまくいけば美味しい蜂蜜を得られ、永く続けられるので、老後の趣味としても 人気が出て来ているのでしょうね。

しかし、少し気難しく、逃亡してしまうこともあります。気をつけていても刺されてしまう事も。蜂蜜も西洋ミツバチほど沢山は採れませんが ・・・まぁ良いではないですか。

高価な百花蜜と言われる日本ミツバチの蜂蜜採取も良いですが、日本ミツバチを飼うと言うのは、ほんの少しでも 自然のポリネーションのお手伝いをしている、ほんのりと豊かな気持ちになり楽しいモノですね。

飼育の場合には、周囲の環境にも配慮しなくてはなりませんが、気軽に日本ミツバチの飼育を楽しみましょう。

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